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 かつてナザレ組に呵責なき攻撃を加えていた武闘派やくざパウロ。その彼が何の弾みかナザレ組との盃を望んだ。当然、誰にも相手にされないパウロだったが、そんな彼に手を差し伸べたのは、ナザレ組のお人好しやくざ、バルナバであった。

 

 意外にもパウロは宣教―やくざリクルート活動―において類まれなる才能を発揮し、バルナバと共に歩んだ宣教旅行は大きな収穫を上げていく。そんなある時、彼が躍り上がって言ったのだ。

 

「ヤコブさんのきっての頼みでの、この度、わしが異邦人財務部長いう大役を任されることになったんじゃ!」

 

 舞い上がるパウロとは対照的にその表情を暗くするバルナバ。財務部長……すなわちナザレ組系各事務所からの上納金徴収任務が新たに彼らに科せられたのだ。これからの旅は今までのものよりも遥かに過酷なものとなるだろう……重苦しい予感に苛まされるバルナバ。上機嫌に笑い続けるパウロ。

 

 果たしてパウロは各教会から上納金を見事集めることができるのか……? そして、バルナバとの友情の行方は……??

 

4章 パウロ―極道の伝道師たち

(上:パウロ)

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